大学生のアルバイトと、大学の学費

僕が住んでいる地域のコロナ感染状況は、都市部よりはマシですが、いろいろなことが止まってしまっています。
それは仕方ないのですが、大学院生としては、アルバイトが止まると生活費や学費などの支払いが辛くなり、本当に死活問題になります。筆者も、収入が1割以下になっているので、大変です。

そんな中、政府や各大学等が支援策を検討、実施してくださっているのは、とてもありがたいことです。
ネットニュースでもそんな情報を見かけるのですが、そこにあるコメントがとても辛辣なものが多いことに驚きました。
独断と偏見が入った要約ですが、
「遊んでるくせに」「さっさと働け」「甘えるな」「勉強してないだろ」
など、本当に心ない声が多かったです。
実際に遊んでいる人も確かにいますが、学びたいことを真面目に勉強している人も多くいます。

大体の大学生の学費や生活費は、仕送りと奨学金とアルバイト代で賄われていると思います。
仕送りは親の収入次第、奨学金は紛れもなく借金です。結果、学生はアルバイトで学費と生活費を稼ぎます。

ここから本題ですが、昔と今は、全く状況が違うと思います。
違うのは、学費と入学金の金額です。

文科省厚労省の統計情報を使って、国立大の4年間でかかる負担を調べてみました。

具体的には、
 年間経費(円)=(在学中の学費4年分+入学金)/4
 負担率(%)=年間経費/サラリーマン平均年収×100
で計算しました。
これで、負担率は、

1人の子供で、親の年収に対しどれくらい割合の金額を1年間で大学に支払うか

という指標になるかと思います。
結果が以下の表です。
入学年度:現在年齢(歳):年間経費:平均年収:負担率
H25:25:60.6万円:473万円:12.8%
H15:35:59.9万円:491万円:12.3%
H5  :45:50.2万円:477万円:10.5%
S63:50:38.4万円:394万円:9.7%
S58:55:27.3万円:338万円:8.1%
S53:60:17.7万円:260万円:6.8%
でした。
明らかに、現在の方が負担率が高くなっていることがわかります。そして、その増加した負担の一部は、学生に向いていると思われます。
私立大は調べてないのでわかりませんが、もっと負担率が高いと思われます。

景気、経済等その他の要素は、全く含めていないので一概には言えませんが、ざっと計算するだけでも今、60歳の人の倍近くの負担になっています。


これだけではほとんど何も言えないと思いますが、
(1)アルバイト代激減
(2)ただでさえ、学生の負担が増えている
(3)教育を捨てることは国とその将来を捨てるということ。
ということを、心ないコメントをしている人に、知っていただきたいなと思って、非常に珍しいですが、政治に関わることを発信させていただきました。

 

(今回の投稿は個人の意見であり、所属機関などは全く関わりありません(公開してませんが)。また、限定的な根拠と情報で解析しています。無断転載や引用等禁止です。コメントは建設的なものをお願いします。喧嘩するつもりは全くありませんし無視します。あまりログインしませんが、最近ネット怖いので、予防線を張っておきます。)

 

出典

(1)文科省の国交私立大学の授業料等の推移
(2)厚労省の賃金構造基本統計調査
(3)(2)を基にしたサラリーマン年収のとあるサイト