星種族合成モデルBC2003(GALAXEV)のインストールと使い方
星種族合成モデルBC2003のインストールと使い方
Bruzual & Chalot の星種族合成モデルであるBC2003(GALAXEV)は、天文学で最も用いられているモデルです。
ある星形成史を仮定して星スペクトルから銀河のスペクトルを計算します。
ですが、謎にインストールのページのリンクが切れていた(18/12/1時点)ので、BC2003のファイルを持っている前提で話を進めます。
まず、全てのtar.gzファイルを解凍します。
すると、bc03というディレクトリができ、その下の階層に、
doc:解説のファイルが入っている
models:モデルが入っている
src:実行プログラムが入っている
template:作られた典型的なテンプレートが入っている
基本的にsrcのディレクトリを使います。
使う前に環境設定をする必要があります。
homeの「.cshrc」に
setenv bc03 /lfs11/himotokz/anam11b/himotokz/data/UV-SFR/BC2003/bc03/src
を追加します。
その後、
cd $bc03
source ./.bc_cshrc
を打ち込み、環境設定を終えると、srcのディレクトリに移動し、
make all
これで環境設定は終わりです。
次に、用いたいSSP(Single Stellar Population)モデルをmodelのディレクトリからsrcのディレクトリへコピーして解凍します。
解凍したファイルはASCIIファイル(見れるやつ)なので、実行するときにプログラムが読み込めるファイルであるbinaryファイル(見れないファイル)に変更します。それが、
bin_ised bc2003_hr_m162_chab_ssp.ised_ASCII
です。これで、
というファイルができます。ちなみに戻すには、
ascii_ised bc2003_hr_m162_chab_ssp.ised
で、ASCIIファイルを作れます。(モデルを作った際に中身を見るのに作る)
では、実際にスペクトルを作ってみます。
スペクトルを作るプログラムは、
galaxevpl
です。
実行すると、モデルを聞かれるので、◯◯.isedファイルを入れます。
作るスペクトルの波長(Å)の幅などが聞かれます。
その後、その銀河を観測する年齢(Gyr)が聞かれます。
すると、作成するファイル名が聞かれるので好きな名前を入力するとモデルが作られます。
それをプロットすると、
Padova2000の星モデル、ChabrierのIMFを仮定し、金属量Z=0.019(Zsun)のSSPモデルの銀河を、銀河ができてから1Gyrの時点で観測した場合の1000-10000ÅのSEDです。
出てくるfluxは単位波長あたりなのに気をつけましょう。(等級に換算する時は単位振動数あたりのfluxに換算してからです)
どこかで、異なる星形成史のモデルを作る方法を解説します。