(シリーズ)現代の天文学(2, 赤い星と青い星)
(シリーズ)現代の天文学(2, 赤い星と青い星)
今日はいい天気ですか?
星空は見えていますか??
今夜は、「星の色」のお話をしましょう。
オリオン座の「ベテルギウス」という星はみなさんご存知ですよね?
ギリシャ神話の狩人である「オリオン」の右肩に位置する一等星です。
一方で、オリオンの左足に位置する一等星が「リゲル」という星です。
(From ベテルギウス 2月の旬の星)
写真で見るとこんな感じ。
オリオン座の真ん中にいるのは「M42 オリオン大星雲」ですが、メシェ天体やら星雲の話は後日。
ところで、今日のテーマは色です。
みなさん気づきましたか???
ベテルギウスは赤く、リゲルは青いですよね???
これには星の「寿命」と「温度」が関係しています。
(ほんのちょっとだけ数式が出てきますが、わかりやすく説明するので我慢してください)
人間にも寿命があるように、星にも寿命があります。
短いものだと1000万年くらいですが、長生きするものは100億年以上生き続けます。
ちなみに、この寿命は最初に星ができた時に集まった(水素)ガスの重さ(質量)に依存します。
つまり、仲間(水素ガス)をたくさん集めて重くなった星は短命で、軽い星は長命なんです。
そして、重い星ほど密度が高く高温になります。
この温度が星の色を決めるんです。
ここに「ウィーンの変位則」というものがあります。(黒体放射を仮定。星の放射は近似的に黒体放射とみなせる)
λは放射される光の波長、Tは温度です。
この積が一定ということは、温度が高ければ放射される光の波長が短い(青くなる)ということです。
つまり、
重い星 → 温度が高い → 放射される光の波長が短い → 青い
ということになります。
じゃあ、ベテルギウスは軽くて、リゲルは重い。
ということにはならないんです(笑)
普通はここまでの理論で大丈夫なのですが、ここに寿命が絡んできます。
実は、ベテルギウスは寿命の99.99%を終えていると言われており、死ぬ前の大大大膨張をしています。
膨張すると温度が下がります。(エアコンや冷蔵庫と同じ原理です)
この膨張によって温度が極端に下がることで、放射される光の波長が長く(赤く)なります。
これが、ベテルギウスが赤い理由です。
Wikipediaによると、
ベテルギウスは3500度。
リゲルの温度は1万1000度です。
この温度の差によって、ベテルギウスは赤く、リゲルは青く見えるんです。
まぁ、ベテルギウスが死ぬ直前って言っても寿命が約1億年っていうスケールなので、残り寿命0.01%だったとしても、そこそこ生きるんですよね(笑)
ベテルギウスの超新星爆発が起これば、昼間のように明るくなるとか言われてますが(本当か知りません)、それが起こるのは明日かもしれないけど、10万年後かもしれないのが、天文学のスケールの大きさですよね(笑)
ということで、今夜は、星の色について解説しました。
解説してほしいことや、質問、コメント、ご感想などは、コメント欄にて受け付けていますので、どしどしどうぞ!!
では、
See you again!!